「でも、前を向いて」という言い方について

2015.02.13 Friday 21:59
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    JUGEMテーマ:つぶやき。

    最近、気になる言い方があります。「反省は必要だ。でも、前を向いて行かなければ。これらかの方が大切だから」という言い方です。何気なく聞いていると耳に心地よい言葉です。

    いわく、「原発事故原因の検証は必要だ。でも、原発は必要だ。だから再稼働を急がねば。」いわく、「後藤さんが死に至った原因の究明は大切だ。でも、もっと大切なのはこれからのテロとの戦いだ。テロを断じて許してはならない。」
    中でも今回の安倍首相の施政方針演説は出色で、「先の大戦の深い反省と共に、ひたすらに自由で民主的な国を創り上げ、世界の平和と繁栄に貢献して」きたことが「誇り」だと言い、「その誇りを胸に」積極的平和主義による平和作りに向かうと言っています。つまり、大戦の反省に基づくこれまでの平和憲法に則った「世界の平和と繁栄」への貢献を「誇り」という精神的な、具体性を欠いた言葉の下に一括し、これまでの歩みを大転換して軍備増強による安全保障という戦前の「平和」への道に逆戻りしようというのです(もっとも今回はアメリカという強力な後ろ盾がいますが)。官僚の作文で巧妙に隠されてはいても、その本質には「反省した。でも、前の道」という最も強力な「でも」があるのです。

    これからの方が大切だということに異論はありません。反省しても取り戻すことができないものがあることも承知しています。しかし、この「でも」は曲者です。この「でも」はほとんどの場合、過去の過ちと未来を切り離し、未来における反省の意味を無にしてしまう「でも」であることに私たちは気付かなければなりません。反省が現実に生かされてこその明るい未来だということを忘れてはなりません。
    category:時事 | by:Petroscomments(0) | -

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